今月からオンライン英会話を始めた。
今習っているのは初級の日常英会話。
中学英語をスピーキングで復習しているような感じだ。
1レッスン25分なのだが、サクサク進むと数分余る時がある。
そんな時、講師の先生は
「どうする?残りの時間は今日の復習か、フリートークか…」
と尋ねてくれるので、私はきまってこう答える。
「フリートークがしたい」と。
フリートークを選ぶのは、かつて言われた言葉が心にあるからだ。
高校時代、日本語の弁論大会に出たときだった。
国際理解がテーマの大会だったからか、引率の先生は英語の先生だった。
出番を待つ休憩時間に、雑談をしていた。
「私は自分の意見を人に伝えるのは好きなんですけど、日本語だからできるのであって、英語だとあんまり自信がないです」
その時先生は、こう言った。
「英語はあくまで言語だから、器なんだよ。
その器が人によって、白いお皿だったり、木の器だったり、漆器だったりする。
自分にとって最適な器を作ることも大切だけどね、〇〇さん。
もっと大切なのは、その英語という器の上に、何をのせるかだよ」
ハッとした。
誰にとっても完璧な器なんてない。どんな英語かは使う人それぞれなんだ。
そして英語だけができたって、話すこと、話したいことがなければ何も始まらない。
今の私は、のせたいものは一応あるけれど、それをのせる器がない。
伝えたいことを伝えられるように、世界標準のスタートラインに立つために、まず英語を学ぼう。
そして自分ももっと磨こう。
そう思った。
あれから5年経った今でも、先生の言葉は忘れない。
フリートークをする度に考える。
私は昨日、まだ未完成な器に、何をのせられただろう。
明日、ちょっとマシになった器に、何をのせられるだろう。
私は今日も作っていく。
まっすぐに相手に届く、シンプルな器を。